「ドキドキわくわく、株クーイズ」
タブレットが読んでいる本を遮る。ようやく母親が犯人グループか
「これは買い、様子見、どっち!?」
数字が並んだ画面を一応見るが、十分な情報がない内は分かるはず
なにより、疲労困憊なラシードの顔がうるさい。
「お前、私の勘に頼ろうとしてるだろ」
「時にはそういうのも必要かと思って」
「読み切るのがお前の責務だろ」
「えーん。ごもっとも」
ラシードはまたああだこうだとうなり始めた。何事にもスマートに
そういえば、と気になった。
「もし買うと言った場合、いくら動く筈だった?」
「え? えーっとね」
それはサム少年のゆうに五倍あったので、私はまずラシードの頬を
ーーー
「星が見えない日は少し不安になるんだ」
夜空を見ているとラシードが隣にやってきた。手に持ったマグカッ
「血筋ってやつかな」
「砂漠の民、か」
雲間から僅かに星が覗いた。ラシードが名前を言う。他の星との違
「でも、オレの行く先は風が教えてくれるさ」
ふー、とラシードがコーヒーを冷ます。いとも簡単に飛ばされた湯
ーーー
フライトシミュレーターなら幾度もこなしてきたが、だからといっ
「くっ・・・・・・」
やってみる? と誘われ、ラシードからコントローラーを預かってから数時間がた
ふと、ゲーム画面が突然閉じた。横を見れば、ラシードがマウス片
「おーしまい」
眼鏡を奪われると、ラシードの手が労うように私の目を覆った。温
この温もりがもし、過去にあったなら。ありもしないことを夢想し
ーーー
スマフォの画面をよく見えるように差し向ける。
「バッテリーが過去モデルのなんと五倍、課題だった画質も向上さ
必死の猛攻も敵わず、購入キャンセルのボタンがタップされた。あ
「今月はもう買わないとアザムに宣言したにも関わらず、隠れるよ
「ぐぬぬ」
まあ、ナッシュの旦那に最新ガジェットが刺さるなんて思ってない
「旦那、最近アザムに似てきた」
お目付役がふたりに増えた気分だ。アザムだけでも抜け目ないって
ナッシュは何故か考え込んでいる。オレは変なことを言っただろう
「それは・・・・・・」
「うん?」
「お前のことが好き、という点でか?」
どこからその結論に? このタイミングでデレることある? アザムにも被弾してない? 言いたいことを考えている内に、何となく理解して、「うん」とオ